春の夜長をどうお過ごしですか。
深夜に何を見るでも無くパソコンを眺めていると
「通販」の誘惑がそこここに登場するよね。
「別に今どうしても欲しいわけでもない」ものを
何度かやり過ごしたあげく最後には「ポチっ」と
「いますぐ購入」ボタンをおしてしまう「快感」
元々「グラフィックデサイナー」元「イラストレーター」
そして現在「画家」として活躍している、横尾忠則さん。
その横尾さんのグッズ通販サイトがあるなんて知らなかった。
横尾忠則さんは私の青春時代の「個人教師」なのだ。
もちろんそれは「彼の書籍」であって、
個人的なお付き合いはない。
朝のテレビ「ヤング720」でイラストレーターの黒田征太郎、
コピーライターの糸井重里ら横文字の肩書きを持つ当時キラキラな
若者の代表が白い円卓で一緒に朝食をとりながら世間話をする
というコーナーがあった。フランスパンは僕の町には無かった。
田舎の中学生には眩しかった。
「ビートルズとインド」「高倉健と三島由紀夫」「宇宙人とUFO」
「瞑想と神の存在」「不思議体験と霊」
「曼荼羅とキリスト」「夢日記」・・・
彼が出版する「エッセイ」やトークの内容は僕の好きなテーマが
多くて新刊が出るたびにわくわくしながら買って読んだ青春時代。
立派なんだけどいつまでも少年のような僕の兄ちゃんな感じ。
理屈や常識と離れた言ってしまえば少し「子供じみた」事象を大人になっても本気で信じ、感じ、吸収して、堂々と出版する分別というものをを越えた感性。誤解もされてきただろうなぁと想像する。
世界中で評価され、勲章までもらう一流の「画家」がこんな
「エッセイ」をいまさら世に出さなくてもという老婆心さえ
子供だった僕に芽生えさせる程に、世間の評価などよりも
自分の心が向いた事柄を通して
自分を探す旅人のようなひとなのだと感じていた。
横尾さんから離れて25年くらいだろうか、
4、5日前ネットで横尾さんの「通販サイト」を見つけた。
書籍をお買い上げの方にはもれなく横尾さんが直筆のサインを
書いてくれてしかも私の名前まで書いてくれるという。
すかさず僕は誘惑に負けての「ポチッ」ではなく、
わくわくマックスの「ポチッ」をした。
本のタイトルは「病気のご利益」・・たまたま新刊のタイトルが
それだった。 帯にはこんなフレーズ。「感謝こそしないものの、病は神が差し出してくれた贈りもののような気がする」
横尾さん83歳なんだって・・
だよね、そりゃ私も67歳になるわさ。