記入する事項とてない、ぺらっとした5月のカレンダー。
去年の今頃は何をしていたんだろう?と思う。
歌の旅を続けていたことは間違いないが、さて。
と思い手帳を見ると昨年5月は渋谷でのスリハンコンサートを
終えて山形に向かい、かの上野ちゃんがコーディネートして
くれている「TSUBOくだり2019」で山形、酒田、高畠を
まわり、九州は長崎、福岡で唄っていた。
そこで、「山形」なんだけれど「ラーメンの麺の消費量」が
日本一だと言う事を知ってた?「ラーメン店」が多いと言うの
ではなくラーメンを日本で一番食べる県民ということなのだ。
冷たいスープの「冷やしラーメン(冷やし中華ではない)」と言う
種類もある。私が一番なるほどと思ったエピソードがこれ。
ある時、かの?上野ちゃんが「山形は蕎麦が美味いんだ、
上手い店を知っているので案内するよ。」と言って、
彼の車で郊外の小綺麗で大きな蕎麦屋に向かった。
店内は結構混んでいて人気店なのだと見て取れる。
小上がりに座り、おしぼりで手を拭きながらあらためて店内を
見るともなしに眺めていると「おやっ!」と思うことがあった。
隣に座っていた久保田君に、「久保田ちよっとお客さんを
見てごらん、全員が蕎麦じゃなくてラーメンを食べてるよ。」
「ほんとだ !ラーメンがいいんですかねぇ、旨そうですよね」
と言った。眺めていたお品書きをテーブルに置いた上野ちゃんは
「さて、何にする?この店は普通に「ざる」がいいけど、
冷たい「とろろ蕎麦」も捨てがたいよ。」とすすめてくれた。
「上野ちゃん、俺、ラーメンでもいい?急に食べたくなってさ」
ちょっとだけ、おやっとした表情を見せたけれどすぐに
「いいね、いいね、ここはラーメンも行けるよ。」と言う。
「じゃぁ、僕もラーメンで。」と久保田。
「私もラーメンお願いします。」とマネージャーの竹内さん。」
初めてなのになぜか「懐かしさ」を感じるラーメンでした。
周期でやって来る「ラーメンブーム」とは無縁の普遍の
「中華蕎麦」をいただいて「山形ラーメン消費量日本一」の
神髄を見たような気がしました。
あの時は、僕らに蕎麦を振る舞う気満々の上野ちゃんには
大変申し訳ないことでございました。
昨年の山形でも「中華蕎麦」を美味しくいただきました。
足を伸ばして蔵王へもドライブしたのです。
そして、蔵王の神社 で見たモノは!!
その国の親分須佐之男命、
それから、軻遇突智神(カグツチ)。
この軻遇突智はユニークな神で「炎が燃え盛る様に」生まれ出で
生んでくれた母に大やけどを負わせ死なせる。
それに激怒した父は軻遇突智を殺す。
というエピソードを持つ「火の神」だ。
もしかしたら、古代の蔵王は火山だったのかもね。
面白いのはこの「酢川温泉神社」の石灯籠だ。
はじめは、心ない者の悪戯書かと思ったが・・・。
長い階段を歩き疲れた時は、こんな川柳で心を和ませて
みてはどうですか? という神社の皆さんの心遣いなんかな。
一心不乱に歯を食いしばり、参道の階段を登るも良し。
時折笑顔を浮かべ、ふっと肩の力を抜いてみるも良し。
それは、人それぞれ。
辛いか楽しいか、幸か不幸かを決めるのは、
出来事ではなく、それに向き合うそれぞれの心なのかもね。
去年の今頃は、爽やかな東北の風に吹かれていたんだなぁ。
山形のお蕎麦はホント美味しいよ!!