「ツボからの紹介というていで三浦和人さんの
コンサートをホワイエでやりたいんだけど・・」と
上野ちゃんから相談があった。
もちろん大賛成、早速、三浦さんに打診する。
快く受けていただいたので調子に乗って私も
コンサート当日は高畠に行くことにした。
流れでハプニングゲストとして出演することに。
「ねえ、三浦。ハプニングのゲスト出演も
いいけど二人の仲だしこんなのどう?」
「どんな?」と顔を寄せる。
こんな時の三浦くんの表情は往々にして
一段とタレ目である。
コンサートの中で「ツボさんの誘いで今回
やって参りました。よろしく!」くらいの前振りをして
「白い冬」を唄ってほしいんだけど。
「なんで?自分で歌えばいいじゃない、
なんなら一緒に歌いましょうよ、それがいいよ。」
「もちろん私も唄うのよ。」
「ん?」
「三浦がギターを弾きながら白い冬を
口パクで唄い始める私は舞台袖に隠れて
別のマイクで白い冬を唄い始めたのでした。
だがお客さんはなんか違うなぁ、と思いながらも
三浦が唄っていると思っいている。ややしばらくして
私がハンドマイクで唄いながらステージに登場。」
「それはおもろい。」
「ね、これこそハプニングじゃない。」
「いいねいいね、そこから「細坪君と三浦くん」
コーナーをやりますか。」「いいねいいね。」
と、なり本番当日。
リハーサルもうまくいって、いよいよ本番。
珠玉の三浦バラードを立て続けに唄い続けてゆく。
高畠の皆さんとの距離がどんどん縮まってゆく。
三浦さんがMCで「ツボカズ」のエピソードに触れる
そして「白い冬」のイントロがはじまった。
私は、袖に隠れてハンドマイクを握りしめた。
三浦さんの口元を伺いながら、僕は歌い出す。
三浦さんのギターに僕のボーカルが重なる。
よしよし、客席の皆さんはすっかり三浦さんが
唄っていると信じ切っているようだった。
そのうち客席がざわざわし始めた。
と予想したのだが、何時までたっても
一向にざわざわしないのです。
あれ?普通に聴いてますけど・・・・。
1番が終わった。
じれた私は間奏後に唄ながら、ゆっくりと
ステージ中央へ歩き出した。
そりゃもう、あり得ないぐらいのリアクションを
頂きましたとさ。
高畠町(たかはたまち)にはいくつもの
思い出を数えることができる。
2023TSUBO下り、初日。
ありがとう高畠。