京都入りしてナウウエストワンの
今西さんと東寺で合流する。
橋詰和尚さんはもう待っていてくれた。
我等は同い年の仲なのだ。
2年ぶりの東寺だった。
この日は普段は締めてある五重塔の中に
入れてもらえると言うことで、
東寺の玉砂利の心地よい音を踏み締め
愉しみながら講堂を過ぎて五重塔までの
道程をゆっくりと歩いた。
「河津桜が咲いてますなぁ」と和尚さんが言う。
うながされて右奥に目を向けると確かに
ほんのりと桜の花びらが春を教えてくれていた。
私はしばらくそれに見惚れていた。
河津桜よりもその手前を歩いてゆく
和服姿のお嬢様達を・・・
鮮やかに到来するであろう青春の予感を・・・。
私にもあったそんな季節を懐かしく思い出しながら。