皆さんはどんな感じですか?
僕の所は一日、雨みたいです。
そして、少し肌寒い。
こんな雨の日は、みんなが着ていた雨合羽を思い出します。
あの野音の日から、もうすぐ一年になるのか。
スタッフ共々、何日も前から天気予報に一喜一憂していたけれど、
その日は雨。結局、そういうことなんだ。
何日も前から心配していたって、晴れは晴れ、雨は雨。
6月9日が雨なのには、それなりの訳があったのだろう。
「テルテル坊主」を作ってくれたファンの皆さんもいたよね。
そして終わってみれば、あの雨も野音のコンサートを
特別なものにしてくれた。
息の合ったメンバー様達の笑顔も最高だったし、
ゲストの掘江淳さんの「華やかさ」が良かった。
五十嵐浩晃さんのバラードは「金も銀も銅も」だったし
永井龍雲さんが唄ってくれた「ハラカラ」は渋かった。
フォーク村の同級生「NSP」のふたりは、
前回の野音に続いての応援でほんと心強かった。
そして、合羽姿の皆さんの笑顔に最後まで支えていただいた。
微妙な雨量でしたもね。最後の曲まで唄えて良かった。
思い出したことがある。
昔、NSPが「田園コロシアム」で野外コンサートをしたんだ。
僕も見に行っていた。
テントが楽屋代わりだった。
そのテントに雨がバラバラと大きな音を立てていた。
「まいったよ、ツボ」と天野の声が少し怒った様に言った。
楽屋全体がどこか落ち着かない雰囲気。
数人参加していたバイオリン、チェロ、チームだが、
ここに来て「この雨の中では演奏出来ない」という風な意見が
出たのだそうで、急遽大幅に曲目を変更する事になったらしい。
「この曲やれる?平賀」「これはどう?中ちゃん」
というやりとりが本番直前まで続いたそうだ。
会場の後ろの方で傘を差しながら見ていた僕でさえ
「これは困ったねぇ、凄い雨だねぇ。」と思いながら見ていた。
濡れながらも一生懸命に声援を送っていたNSPファンの
熱い気持ちがとりどりのの傘の色と共にとても印象に残っている。
最悪の雨であるがいい風景だった。
ライブアルバムを制作する予定で用意した収録機材が
濡れないように急遽ビニールで保護しながら収録した音源さえ、
テントにぶつかる激しい雨の音にかき消されて演奏が良く
聞こえない。惜しみながらも発売は見送りにされたと聞いた。
後年それを平賀くんは執念で雨の音を最大限に消し去り
ポニーキャニオンのディレクターとして最高の状態にして
世に送り出したのだった。素晴らしい。
皆さんを含め我ら「ツボッチチーム」が45周年の
野音をやり終えたのは、この時期に不謹慎かもしれないが、
昨年「ROUND45」ツアーが滞りなく終了した事も含めて
とても幸福なことなんだ。
そしてその、DVDの発売も近づいて来ましたね。
野音の数ヶ月前から、雨を司るという「龍神様」に
「いくら仲が良くても、6月9日だけは来ないでね」と
言っておいたんだけどやっぱり来たもね。
この際、「雨男 細坪」ということで
これからも、よろしくお願いします。
「激しい雨」「雨は優しいオルゴール」「愁い」「赤い傘」・・・
挙げたら切りがないくらい私には雨の歌がある。
なんだ、実はわたし雨が好きなのだ。
今日は一日・・・雨の音
そろそろ、皆さんに生で聴いていただきたいものです。