私のところに今日届いたソニーから発売された「ふきのとう全集」
何年か前に前半の7枚がセットで発売されて、
最近、後半の7枚が発売されたのだ。
ペーパーナイフで封を開けて14枚をボックスに収めてみよう。
僕の20代と30代の足跡をこの白いボックスに収めてみよう。
時間もたっぷりあるし、暑い夏がこないいままの雨の夜長に、
ゆっくりと順を追って聴いてゆこうか・・・。
懐かしさに浸った僕は、次回あるかも知れない配信ライブで、
とんでもない曲を選曲したりしてね・・・。
このモノクロの写真は、アルバム「ふきのとう」の
ジャケット写真撮りの時のものだなぁ。
身体の弱かった?ぼくは撮影の日にも38度近くの熱を
出していた。「あぁ、アパートに返りたい、さっさと終わらせて
布団にくるまって寝たい。」とばかり思っていた。
そんな時、急に降り出した驟雨に急いでロケ車まで走り始めた
僕達をカメラマンは撮り続けていたのだろう、出来てみれば
そのショットがポスターに使われていたのだった。
デビュー当時は僕らに了解なしに事は進行していたことも
多々あったように思うが、それもこれもすべては思い出。
ソニーに感謝だね。最後の集大成と言える素敵なカタチが出来た。
PS
2002年に「座・ジローズ」のアルバム制作で初めて
カメラマンのタムジンさんと知己を得た。
その後も、タムジンさんの撮る写真に魅了されたぼくは、
身の程もわきまえず自分のアルバムの制作にもタムジンさんの
ワザをお借りするようになっていった。
参加して貰った初めてのアルバムが「十番目の肖像」だ。
初めてタムジンさんの仕事場にうかがった時のことだ。
整理整頓とは逆の雑然とした、しかしセンスのある部屋の
ひとつのドアの面に一枚のポスターが貼ってあった。
驟雨を逃れるようにアスファルトの道を駆けてくるふたりの青年。
「タムジンさん、なんでこのポスターあるんですか?」
「ん?なんかさ、気になったんだよねこの写真、おれが撮った
訳でもないのにずっと貼ってあるよ。」「そうなんすか。」
「坪さんのジャケットを撮ることになるなんてね、面白いねぇ。」
何だかとても嬉しかった。以来お付き合いは、最新の作品
45周年記念のDVDまで続いている。