「佐世保に古くからの友人がやっているbarがあるので、もし寄れたらぜひ・・・」と言われていたので調べて見るとタコ坊から
165メートルのところだと出たので行って見ることにした。
基地の兵隊さんが集まる界隈にあったその店は落ち着いた感じのbarでカウンターにはダンディなマスターがひとり
優しい笑顔をこちらに向けていた。
この人がタケちゃんの友人だな。
カウンターに腰を下ろし注文したジンロックを1,2杯口にしたところで妹尾さんの話を切り出した。
マスターの表情は明らかに親密なものとなり、メイプル味のナッツをお代わりしてくれた。
ひとしきり妹尾話で盛り上がったところでマスターはタケちゃんに電話をかけた。
「いま、お友達が四人でカウンターに座ってるよ。うん、うん、
あ〜、そうなの。エッ、あの歌の人?ホント!僕の青春の歌よ〜、
ビックリだなぁ。」
マスターはタケちゃんの電話を切ると私に
「いや〜、失恋した時にちょうどあの白い冬ですよね、あれが流れてましてビビッと来たんですよ。いや〜ビックリ、握手して下さい。」
マスターは握手した後、私の顔をしみじみ眺めながらこう言った。
「時は、流れたんですねぇ・・・・」
チャンチャン!